可愛い孫のために。新NISAを使った「教育資金贈与」の新しいカタチ
68歳でリタイアされ、十分な資産をお持ちの皆様、お孫様の将来について真剣にお考えのことと存じます。 「この資産をどうにかして、負担なく、最も効果的な形で孫に渡せないだろうか?」
もし、今あるまとまった資金を銀行預金に置いたままにしていると、インフレの進行により実質的な価値は目減りしていきます。さらに、将来的に大きな額を一度に相続させようとすると、多額の相続税が発生する可能性が高まります。
しかし、新NISAの「非課税メリット」と、暦年贈与の「年間110万円の非課税枠」を組み合わせることで、生前にお孫様へ計画的に資産を移転し、その資産を大きく育てながら、結果として相続税対策にもなる「一石三鳥」の戦略が実現可能です。
年110万以内でこれだけ変わる!20年後の未来
毎年の贈与の非課税枠である110万円を上限に、新NISAのつみたて投資枠(年間120万円)を活用するシミュレーションを見てみましょう。ここでは、非課税枠を最大限に活かすため、毎月約91,666円(年間109万9,992円)を投資に回します。
投資対象として選んだS&P500の長期的な期待リターンを保守的に年率5%と仮定し、20年間運用を続けた場合、銀行預金とどれほどの差がつくでしょうか。下のグラフを見てください。
【シミュレーション結果(20年間・年率5%)】
- 投資元本合計(20年): 約2,200万円
- 銀行預金(20年後): 約2,200万円(増えません)
- 新NISA運用結果(20年後): 約3,800万円
- 非課税の利益: 約1,600万円
※グラフ(自動挿入)
20年間で、銀行預金に比べて約1,600万円もの差が生まれます。この利益のすべてが非課税であり、お孫様の将来の学費や独立資金として大きな力になります。
【資産移転の2つの戦略】
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祖父母様ご自身が運用するパターン(短期・中期戦略):
ご自身の新NISA口座で運用し、お孫様が大学入学や留学など、資金が必要になったタイミングで解約。現金化した資金を「暦年贈与の非課税枠内(110万円以内)」で、毎年、必要なだけ手渡していく方法です。資金管理の柔軟性が高いのがメリットです。 -
成人したお孫様のNISAで運用するパターン(長期教育戦略):
お孫様が18歳以上(成人)であれば、現金を直接渡して「これで自分でNISAを始めなさい」と教育と共に資金移転する方法です。この場合、運用益は孫のものとなり、生涯非課税枠(1,800万円)を最大限に活用させることができます。
68歳・孫あり・資産余裕ありのための成功戦略
なぜS&P500(米国株式)を選ぶのか?
お孫様への贈与は、数十年にわたる長期的な視点が必要です。S&P500は、GAFAMを含む米国の優良企業500社に分散投資する指数であり、歴史的に見て、世界の経済成長と共に長期で安定したリターンを生み出してきました。
個別株のような高いリスクを取る必要はなく、時間を味方につけることで、複利効果を最大限に享受できます。これが、大切な資産を確実に増やすための最適な選択です。
失敗しないための具体的な注意点と教育的贈与
「孫に現金を渡すより、代わりにNISA口座に入金してあげたい」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ここで法律上の注意が必要です。
成人(18歳以上)のお孫様のNISA口座にお金を「振り込む」行為は、祖父母様が資金の運用指図に関与したと見なされ、法的に複雑な問題が生じる可能性があります。
最も確実で教育的な方法は、現金を直接お孫様本人に渡し、その資金の使い道をお孫様自身に任せることです(贈与の成立)。 その上で、「これは将来のために投資するものだ」と教え、口座開設や銘柄選定のサポートをしてあげるのが、最高の金融教育となります。
今日から始める3ステップ
お孫様の未来を支える資産形成は、複雑な手続きは必要ありません。今すぐ行動に移すためのシンプルなステップです。
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ステップ1:証券口座の開設
ご自身のNISA口座(または成人したお孫様の口座)をネット証券などで開設します。 -
ステップ2:積立設定と資金移動
毎月の積立額を約91,666円に設定し、投資対象を「S&P500連動の投資信託」に設定します。この際、年間110万円を超えないよう注意してください。 -
ステップ3:長期にわたる「放置」と「教育」
設定が完了したら、市場の変動に一喜一憂せず、長期運用を続けます。同時にお孫様と資産や経済について対話する機会を設け、贈与の目的を伝えます。
資産は守るだけではなく、賢く増やす時代です。新NISAを活用し、愛情と知識をお孫様の未来に託しましょう。